2022年10月23日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第480回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇で39首中2首、俳壇にはありませんでした。
【俳句】
死ぬ大事・忘れるほどに・秋澄めり (山梨県市川三郷町 笠井彰)(長谷川櫂選)
(いつも忘れていることに気づかされた。)
秋風鈴・つまらなさうに・鳴りにけり (川崎市 小関新)(長谷川櫂選)
(そんなところに仲間がいた。)
落蝉の・ひとたびは蟻・弾きけり (伊勢崎市 小暮駿一郎)(高山れおな選)
(そこに悲哀を見るか、根性を見るか。)
ロシアとは・戦っている・冬我慢 (室蘭市 会田一松)
(武力ではないが日本も戦っているのだ。)
【短歌】
南国に・帰らなかった・青鷺と・共に老いなん・北国の秋
(オランダ モーレンカンプふゆこ)(馬場あき子選)
(寒風に向って孤立を決意。)
年だからと・行かせてくれぬ・茸採り・マツタケ呼んでる・あの松林
(弘前市 永井一喜)(佐佐木幸綱選)
(親子の口論ともいえぬ穏やかな意見のやりとりが見える。)
二学期の・席がえとなりの・男の子・お道具箱に・バッタはいない
(奈良市 山添葵)(永田和宏選)
(バッタがいないことが何なのか、大人にはわからないところが面白い。)