2022年9月11日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第474回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇で37首中7首、最近ではやや多く、俳壇にはありませんでした。

 

 

【俳句】

 

 

国葬の・列には非(あら)ず・蟻の列 (諫早市 麻生勝行)(高山れおな選)

 

 

(「坊主憎けりゃ」の境地に共感!)

 

 

こんな年に・なるとは知らず・冷やし酒 

               (石川県能登町 瀧上裕幸)(長谷川櫂選)

 

 

(冷やし酒はにがいのか、甘いのか。2022年の事件、苦いとすればこれとこれ、甘いとすればあれとあれ。)

 

 

床の間に・木魚と西瓜・並びをり (野洲市 深田清志)(大串章選)

 

 

(このおもしろさを発見させてくれるところが俳句のすばらしさ。)

 

 

【短歌】

 

 

戦争は・祈りだけでは・止まらない・陽に灼(や)かれつつ・デモに加わる

                          (東京都 十亀弘史)

      (高野公彦選)(永田和宏選)(馬場あき子選)(佐佐木幸綱選)

 

 

(「陽に灼かれつつ」に自罰、自責の心が感じられる。)

 

 

種採って・その種蒔いて・また採って・四半世紀を・このアサガオと 

                   (新潟市 太田千鶴子)(永田和宏選)

 

 

(人に、それぞれの、歴史あり。そして、歴史は記録されて共有される歴史となる。)