2022年8月14日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第470回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇で35首中3首、俳壇は38句中2句でした。
歌壇には、元総理銃撃、国葬、国債依存について、それぞれ2首ありました。
精神生活に占める社会的事件、言い換えればマスコミが提供するニュースの歌壇でのウエイトの高さを感じます。
俳壇にはむしろそれを外そうという姿勢を感じます。
【俳句】
海沿ひの・街角かどの・大夕焼 (川崎市 上山暢子)(高山れおな選)
(これは事件であり、共に語られるべきことなのだ。なのに‐‐‐。)
学校の・孤独なチャイム・夏休 (今治市 宮本豊香)(長谷川櫂選)
(指示に忠実なチャイムに申訳ないような気持ち。)
先程の・水で朝顔・又伸びて (東京都 青木千禾子)(長谷川櫂選)
(うれしい手ごたえ。)
【短歌】
野仏に・供える黄菅(きすげ)・二本剪り・今日の畑の・仕事を終(しま)う
(蓮田市 斎藤哲哉)(佐佐木幸綱選)
(身すぎ世すぎとは別に、この世界をもっているということの大切さ、誇り。)
老いてゆく・未知の経験・始まりて・まず美しき・パジャマを買おう
(北九州市 小長光吟子)(佐佐木幸綱選)
(他人の目を気にしないで自由な自己演出が楽しめる「老い」という立場。「アウト・ロー」がおすすめ。)