2022年7月17日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第466回です。
今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇で38首中7首、前週に比べて増、一方俳壇にはありませんでした。
【俳句】
見るほどに・聡明そうな・薔薇二輪 (いわき市 馬目空)(長谷川櫂選)
(いくら見つめられても関心を表わさず、そこが聡明さを感じさせる。)
昼寝覚め・隣に猫が・ゐるばかり (大野城市 中村一雄)(長谷川櫂選)
(独り身を通す旧友、いま野良猫5匹と暮すとの報に接したばかり。)
【短歌】
熟蚕(ひきこ)踏み・もったいないと・叱られた・吾のみ残り・桑を見つめる
(熊谷市 松葉哲也)(高野公彦選)
(大きな決断をしたわけではないが、結果的にやはり選び取っている人生。)
水槽の・イロワケイルカの・優しい目・幼なじみに・会いたくなる目
(富山市 松田わこ)(高野公彦選)(馬場あき子選)
(あらためて思う、大人になると目が変わっているんだ。)
頭上には・一万超える・核兵器・人類こそが・絶滅危惧種
(筑紫野市 二宮正博)(馬場あき子選)
(事実の指摘として貴重。)
園児らの・ブロック遊び・吾子一人・ずっと牢屋を・作っておりぬ
(川崎市 川上美須紀)(佐佐木幸綱選)
(事情まったく分からぬが、よくないことが起きていると印象に残る。)