2022年6月26日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第463回です。

 今回、ウクライナを扱ったものは、歌壇で36首中7首で、俳壇は39句中2句でした。

 

 

【俳句】

 

 

入寂の・景もかくやと・大夕焼け (神戸市 岸田健)(小林貴子選)

 

 

(すごい夕焼けはこの世ならぬものを感じさせる。)

 

 

新緑や・烏(からす)もすべる・滑り台 (佐倉市 杉山勝利)(小林貴子選)

 

 

(憎らしさもあるからすに童心あり。)

 

 

ラッパーに・合いの手入れし・牛蛙 (岸和田市 小林凛)(小林貴子選)

 

 

(気味悪さもある牛蛙にも童心あり。)

 

 

夏柳・今も銀座に・花売女 (神戸市 西和代)(大串章選)

 

 

(銀座を句に詠む世の中はたぶんもう終わりだろう。)

 

 

ムクドリの・ミミズを狙う・草いきれ (横浜市 倉田幹夫)(高山れおな選)

 

 

(炎天下の庭でのムクドリの熱心はそこにあったのだ。)

 

 

【短歌】

 

 

心から・鳴いてをるのだ・故郷の・八千匹の・夜の田蛙 

           (いわき市 馬目弘平)(永田和宏選)(馬場あき子選)

 

 

(「泣いて」をるのだ、「フクシマ」を。)

 

 

初めての・同期飲み会・緊張の・待ち合わせ場所に・ふいの夕立ち

            (富山市 松田梨子)(永田和宏選)(高野公彦選)

 

 

(夢想から現実に引き戻されるような感じかな?)

 

 

お釣りって・なにと問う子が・いると聞く・財布持たざる・父母ふえて 

                   (札幌市 田巻成男)(佐佐木幸綱選)

 

 

(単純にその事実に驚く。)