2021年11月14日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第432回です。

 

 

 【俳句】

 

 

ぬけたはに・秋かぜ出たり・入ったり (成田市 かとうゆみ)(長谷川櫂選)

 

 

(子どもの句だそうだが、俳味にあふれていて老人の句でもよい。)

 

 

霧の駅・過去の己に・囁(ささや)かれ (新庄市 三浦大三)(大串章選)

 

 

(反省を迫られたか。でも、もうどうしようもないではないか。)

 

 

コスモスの・風の中より・少女現る (加古川市 森下史子)(大串章選)

 

 

(詠われ尽くされていることを重々承知だが詠わざるをえないという光景。)

 

 

眞子様も・海原わたる・秋の蝶 (東京都 鈴木淑枝)(高山れおな選)

 

 

(小室君眞子様のことはもっともっと詠うべきだ。われわれ自身のためにも。)

 

 

【短歌】

 

 

小一の・夏の休みの・絵日記に・自分だったはず・天使羽ばたく 

                        (東京都 村田清三郎)

 

 

(懐かしさ、というより喪失感か。)

 

 

温暖化の・進む世界の・この先の・悲惨を学者は・語らずにいる 

                   (東京都 野上卓)(馬場あき子選)

 

 

(「滅亡の・確かな宇宙の・この先の」と小生は言いたい。)

 

 

 

雪の無き・相馬から来て・雪中の・金木(かなぎ)にて聴く・別の三味線 

                   (相馬市 根岸浩一)(佐佐木幸綱選)

 

 

(津軽三味線は激しい吹雪を背景にしていっそう迫力を増す。)

 

 

カラフルな・Tシャツせめて・着てほしい・黒いブルカの・下に着るもの 

                   (秦野市 関美津子)(永田和宏選)

 

 

(小生、サウディアラビアのショッピングセンターで女性用衣料品の派手さにびっくりしたことがある。見えないところではかなり派手なのでは、と思った。)