2021年7月11日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第414回です。

 

 

【俳句】

 

 

藻の花を・見つけてよりの・散歩径 (高知市 和田和子)(大串章選)

 

 

(自分のほかに見る人がいないのではないかという気持ちと推測。)

 

 

玉虫も・父の形見や・山の寺 (戸田市 蜂須厚子)(大串章選)

 

 

(玉虫が来る木は特定の木に限られている。小生が発見した木は伝わるだろうか?)

 

 

走馬灯・裏の畑の・父と母 (横浜市 込宮正一)(高山れおな選)

 

 

(浮かんでくるのは、あの姿になぜか心が動いたからであろう。)

 

 

下校だな・青田の向こう・帽子行く (瀬戸内市 林田真一郎)

 

 

(子どもたちは地域の人みんなから見られている。)

 

 

気がつけば・今夜は蛙・鳴きおらず (観音寺市 田端一利)

 

 

(天気のせいだろうか?うるさかったのにパタッと鳴きやんでいることがある。)

 

 

虫取りや・子どもにもどる・若きパパ (古賀市 吉田陽三)

 

 

(子どもを持つと子どもに戻れる。)

 

 

【短歌】

 

 

梅干しの・瓶のラベルは・剝がれない・ように洗いぬ・亡き祖母の文字 

                       (奈良市 山添聖子)(高野公彦選)(永田和宏選)

 

 

(ひとたびそれに気づいたら、逃れられない。)

 

 

「愛」には有り・「名曲」には無き・賞味期限・昭和歌謡を・台所で歌う

                                (新潟市 江口康子)(高野公彦選)

 

 

(「台所」が事情を語っている。)