2021年7月4日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第413回です。

 

 

【俳句】

 

 

篠笛の・袋のごとき・蛇の衣 (栃木県壬生町 あらゐひとし)(高山れおな選)

 

 

(あのりっぱな脱け殻が脱ぎ捨てられて、顧みられないのが不思議だ。)

 

 

袋掛・されて明るき・丘の道  (徳島県松茂町 奥村里)(高山れおな選)(稲畑汀子選)

 

 

(詠われている果物は何だろう。袋掛けがどんどん進んでいくと景色が変わる。)

 

 

海の色・失はぬ間に・鯖料る (神戸市 藤井啓子)(稲畑汀子選)

 

 

(「料る」の読みは「はかる」でいいのだろうか?意味は「調理する」という意味だろうか?)

 

 

【短歌】

 

 

「でんしゃだよ」・声をかければ・コトデンを・大型犬も・共に見送る

                               (高松市 高松博子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(どこに詩情があるかわからないようなさりげない詩情。)

 

 

待つことを・楽しむ人が・いることに・気づく老舗の・ラーメン屋さん 

                               (富山市 松田梨子)(馬場あき子選)

 

 

(その発見がうれしくて、詠わないでいられない。)

 

 

大谷サン・君が言うなら・みんな聞く・コロナ対策・あなたが決めよ

                                        (横浜市 源田光一)

 

 

(ゴチャゴチャせずに、スカッと決めてもらうことが大事なんだ。)

 

 

八百よろず・神もあはれと・思うらむ・丞相(しょうじょう)民の・諭(さとし)聞かねば 

                                         (明石市 沖田四郎)

 

 

(丞相と言えば「菅丞相」。「源氏物語」と「菅原伝授手習鑑」を借りる遊び。)