2021年6月4日

 

 よくも天下に大恥をかく発言をしたものだ、昨日(6月3日(木))の公明党・北側中央幹事会会長。

 「パンデミックのもとで何のために敢えてオリンピックをやるのか」という趣旨の尾身新型コロナ対策分科会会長の発言を受けて、北側幹事会会長は、たぶんわざわざ記者会見の場を設けて、威張りくさって、あたかも国民からの要求を代弁するかの如く、尾身会長の発言に答えるように菅首相に次のように要求したのだ。

 すなわち、「(尾身会長の)御指摘はその通り。菅首相は五輪の意義を国民に改めて説明していただきたい。」

 開いた口が塞がらないとはこのことだ。自らの立場を忘れた大チョンボ発言と言わざるを得ない。

 公明党は与党ではないか。オリンピックに何兆円もの巨額の金を投入することを自民党とともに主導してきた立場ではないか。オリンピックを強行することを事実上支持してきた立場ではないか。

 当然のことながら、公明党はオリンピックの意義を極めて高く評価するゆえにその立場をとってきたはずだ。

 尾身会長の発言に対応するとすれば、その立場に立って自ら信ずるところを世の中に堂々と説明すればいい。それでいいはずだ、それが自然だ。

 にもかかわらず、尾身会長の要求に自ら答えず、ただでさえ滑舌に難があり、演技が下手な菅首相に答を振るというのはどういうことだ。

 天下の公党が何兆円もの支出の意義について自ら信ずるところを世の中に堂々と説明できないというのはどういうことだ。

 公明党としては説明する内容がありません、オリンピックについては自民党の政策に追随してきただけです、というのであれば、それは公明党が政党であることを自己否定したことになる。

 自ら答えず、菅首相に答を振るというのはそういうことだ。政党としては恥ずかしいことだ。

 そういう意味を持つ発言を北側幹事会会長は、わざわざ記者会見を開いて天下に発表したのだ。

 

 北側幹事会会長発言が党の立場を逸脱するものであったとするのであれば、公明党はあらためてオリンピック開催の意義について党の信ずるところを明らかにして、北側幹事会会長をしかるべく処分する必要があるだろう。責任政党とはそういうものだ。