2021年5月23日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第407回です。
【俳句】
田の神の・降臨どっと・蛙鳴く (伊万里市 萩原豊彦)(高山れおな選)
(ある日突然一斉に鳴き始める。大きな出来事があったとしか考えられない。)
田の中に・一国築く・蝌蚪(かと)の群 (神戸市 岸下庄二)(長谷川櫂選)
(たしかにおたまじゃくしが人々という感じ。)
蕨採り・立ちて気づきし・崖の上 (伊東市 山田みずほ)(大串章選)
(蕨採りにかぎらず、いかにもありそうなこと。)
【短歌】
早苗田に・鯉幟三つ・映りいる・とおくに筑波嶺・かすむ春の日
(潮来市 根本健助)(佐佐木幸綱選)
(数少ない純粋叙景歌が印象に残る。)
天、空(むな)しゅう・することなかれ・朝乃山・時に清香(きよか)の・無きにしも非ず
(東京都 小田柳三)
(「太刀山と清香」(浪曲)と「忠義桜」(岡山民謡)を動員した大関朝乃山復活の祈り。)