2021年5月9日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第405回です。

 

 

【俳句】

 

 

花疲・誰もが座する・石のあり (東京都 百瀬俊夫)(長谷川櫂選)

 

 

(そういう人に自分はなりたい、と賢治は言わなかったか?)

 

 

初つばめ・聖火リレーを・かすめ行く (本巣市 清水宏晏)(大串章選)

 

 

(この清々しさで行きたかったのであろうに‐‐‐。)

 

 

ステージに・立ちたる心地・さくら散る (八王子市 田中一美)(高山れおな選)

 

 

(そうか、さくらはみんなを主役の気分にさせてくれるのだ。)

 

 

万歳で・眠るみどり児・春の風 (神戸市 涌羅由美)(稲畑汀子選)

 

 

(みどり児という単語を作ってくれた文化に万歳。)

 

 

【短歌】

 

 

タテカン無き・百万遍の・交差点・うつむきながら・学生通る 

                              (京都市 武本保彦)(佐佐木幸綱選)

 

(その鬱屈に溜まるエネルギーがないはずがない。よき爆発を祈るのみ。)

 

 

一国の・宰相視線に・力なく・処刑おそれる・下僚のごとし 

                                        (札幌市 伊田健一)

 

(そういう人はやけくそになって荒れると怖い。)