2021年5月3日

 

 憲法記念日である本日、大新聞による憲法改正についての世論調査の結果が一斉に発表された。

 憲法改正を支持する世論が増加している。9条堅持の観点から深刻な事態と言わなければならない。

 ただ、これらの世論調査については共通の1つの大きな欠陥があり、世論調査結果はこの点を考慮して読み取らなければならない。

 

 すなわち、改憲勢力の中心目標であり、憲法改正の最大の焦点である「9条を改正して集団的自衛権を認めるか否か」という質問項目がどの世論調査にも存在しないのだ。

 したがって、「集団的自衛権」のことがほとんど意識されていない状態で世論調査への回答はなされたものと判断される。

 憲法改正上の最大の問題が触れられていない憲法改正に関する世論調査など無意味だと言いたい。大新聞の定見のなさが実に情けない。

 

 今回の世論調査結果は改憲勢力の焦点隠しの作戦が功を奏したものと考えられる。

 憲法改正の問題とは実質的には「集団的自衛権」の問題であるということ、目くらましとして提起される事柄にはだまされてはいけないこと、このことを国民に認識してもらわなければならない。  

 すべての努力がこのことのために集中されるべきであろう。