2021年4月18日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第402回です。

 novさんのさし絵は「五月を前に初つばめくる」。

 

 

【俳句】

 

 

花の下・戦友会は・二人だけ (土浦市 栗田幸一)(大串章選)

 

 

(かつてを語る・友の消えゆく)

 

 

【短歌】

 

 

この十年・孫二人増え・義母が逝き・区切りなどなく・暮らしは続く 

                 (福島市 遠藤和子)(高野公彦選)

 

 

(「3.11」につけられた区切りが大きすぎるのだ。)

 

 

土砂降りの・ひとつの傘に・三人の・少女が入りて・満面の笑み

               (富士見市 阿部泰夫)(馬場あき子選)

 

 

(何でもないことがとてつもなく楽しい。この感性、どこに行っちゃったんだろう。)

 

 

うす暗き・厨(くりや)の棚に・箱膳の・しまはれてゐる・春の廃屋 

                 (徳島市 上田由美子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(しまったときは、使われることが予想されていたのだ。それが悲しい。)

 

 

政治家の・襟に見せかけ・青リボン・拉致解決に・貢献もなく

                 (横浜市 徳元哲夫)(佐佐木幸綱選)

 

 

(我が国では政治家は自省心のない厚顔無恥の人の象徴となっている。)