2011年3月14日

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第397回です。

 novさんのさし絵は「3月13日は春日祭」。

 

 

【俳句】

 

 

桜餅・とはに五歳の・おとうとへ 

                   (川口市 青柳悠)(長谷川櫂選)(高山れおな選)

 

 

(慕われた兄は小学生だった。)

 

 

そこそこに・梅見し後の・茶屋長し (横浜市 本松健治郎)(稲畑汀子選)

 

 

(何事もアフターがあってこそ。)

 

 

雲雀野の・いつもどこかが・啼いてをり (東かがわ市 桑島正樹)(稲畑汀子選)

 

 

(それにしても姿が見えない。)

 

 

【短歌】

 

 

寿司買って・帰りぬワクチン・1回目・50パーセントは・効いてる気がして 

                (アメリカ 大竹幾久子)(佐佐木幸綱選)

 

(お酒を飲んでもうまそうだ。)

 

 

年齢や・仕事、給料・吹き飛ばし・大きな声で・面を打つなり 

                (京都府 片山正寛)(高野公彦選)

 

(下の句をそれぞれ付けてみるのは面白いかも。付かない場合もあるかも。)

 

 

なかなかに・おのれの去らぬ・歌作り・きっぱり断てば・中天の月 

                       (福山市 倉田彦三)

 

(いったい、その時は来るのだろうか?)

 

 

夢を断ち・望みを捨てて・世を離れ・などと老爺の・淋しき気取り 

                       (高松市 川田五郎)

 

(淋しき気取りもまた戯れなのであろう。)