2021年1月24日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第390回です。
novさんのさし絵が再開。新年第1回は「1月24日頃初場所たけなわ」。
【俳句】
鍋焼と・決めて逢いたる・上野かな (筑西市 加田怜)(大串章選)
(寒いから行く場所をあらかじめ決めておく。)
派遣切られ・抱きし児の指す・冬薔薇(ふゆそうび) (牛久市 佐藤ひとみ)(高山れおな選)
(神に代わりて何を語らん。)
こくどうに・ぞうきんみたいな・たぬきかな (日立市 かとうゆみ)(高山れおな選)
(作者7歳。狸の轢死体に対し、いかなる意味の「かな」なのかな。)
【短歌】
襁褓(むつき)して・コロナ重症・患者らを・看護するとう・夜勤看護師
(観音寺市 篠原俊則)(高野公彦選)
(知らされてあらためて驚く過酷な仕事。)
六歳は・柩の中の・母に向き・こらえつつ言う・「死んでないよね」
(亀岡市 俣野右内)(永田和宏選)
(‐‐‐‐‐‐)
下野したる・前川喜平は・無給にて・夜間中学の・講師してをり
(鎌倉市 石川洋一)(馬場あき子選)
(元文部次官前川喜平、エライ奴だ。)