2021年1月11日
人間の意識は多層であって、日常的経験世界を感知する表層意識のほかに、神秘的現象を感知する別の意識レベルがある。
「深層意識」「無意識」「阿頼耶識」「末那識」等々と、科学系においても宗教系においても言われていることであり、まちがいのないところであろう。
人間の意識を何かを感知するアンテナだと考えてみると、人間は日常的経験世界を感知するアンテナと、神秘的現象を感知する別のアンテナを持っていることになる。
ところで、人間という存在は電磁現象であり、それゆえ人間というアンテナも電磁現象であり、電磁現象であるがゆえに電磁現象を感知することができる、ということであるはずだ。
とすると、日常的経験世界といわれているものが電磁現象であることは当然のこととして、神秘的現象もまた電磁現象だということになる。
科学は電磁現象を対象としてきたものであり、日常的経験世界、すなわち表層意識が感知する世界を対象としてきた。
しかし、神秘現象が電磁現象であるならば、神秘現象は科学の対象となり得るということになる。
逆に言うと、神秘現象が科学の対象とはなり得ない非電磁現象だとすれば、人間が電磁現象であるかぎり、人間が電磁アンテナであるかぎり、人間は神秘現象は感知できないはずであり、人間が神秘現象を感知することができているとすれば、人間が電磁アンテナとはまったく異なる別のアンテナをもっていることになり、人間を電磁現象としての存在にとどめておくことはできなくなり、人間が電磁現象にとどまらない何者かということになってくる。
人間は、日常的経験世界のみならず、神秘の世界も経験可能である、めでたしめでたし、とこれまで筆者は考えてきたのであるが、単純にめでたしめでたしとしておくわけにもいかない、という気がしてきた。
神秘的現象を人間のアンテナの異常による幻としてそれをおとしめるか、人間を他の存在とはちがう高次元の存在とするか、2つの大きな別れ道に立たされているように感じる。
このことについて考察されたことのある読者諸兄姉のお教えを乞いたいと思う。