2020年12月27日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第387回です。
今回の「nov.」さんのさし絵は「12月25日は猫も降誕祭」。「猫も杓子も」の意か、単なる猫好きか。
【俳句】
火が入り・ごそと動ける・おでんかな (境港市 大谷和三)(長谷川櫂選)
(ドラマの開始を告げる。)
冬枯れや・名もなく生きて・悔はなし (横浜市 橋本直樹)(大串章選)
(悔いがあるから悔いはなしと言う。)
虚仮にされ・列島ことごとく・凍えけり (新潟市 中田栄二)
(安倍さんのこと。)
【短歌】
コロナ禍の・視察の知事を・玄関に・並び待ちいる・医師らの心
(観音寺市 篠原俊則)(永田和宏選)
(その心を言わぬことでかえって重い。)
長毛種の・犬の散歩は・気をつかう・アメリカセンダン・グサの実とか
(松阪市 こやまはつみ)(佐佐木幸綱選)
(くっつくし、取りにくい。短毛種の人間でもほとほと参る。)
有権者・十一名の・投票所・十時半から・あと一人待つ
(北秋田市 高橋充)(佐佐木幸綱選)
(十時半には十人が投票を済ませたということだ。)
冬からの・手紙のように・舞い降りる・白鳥数羽・また数羽また
(福島市 美原凍子)(高野公彦選)
(市街地近くでしたね、福島市の白鳥。)
よくもよくも・嘘の上塗り・続けたり・彼の民度の・相場観なり
(山形市 郷田二郎)
(安倍さんのこと。)