2020年10月27日
スガ首相は26日夜のNHKで、学術会議任命拒否問題について「説明できることと説明できないことがある」旨の発言をしたそうだ。
実にけしからん、民主主義の精神に反する、国民を愚弄した発言だ。
まず、「説明できること」があるならば、早急に説明すべきである。まだ何も説明がされていない。
そして、「説明できないこと」があるならば、それが説明できない理由をスガ首相は説明しなければならない。スガ首相はその義務を負っている。
「説明できないこと」として説明を拒否することが無条件で許されるならば、民主主義は成り立たない、議会制度が成り立たない。それは「問答無用」の専制政治というものだ。
公表をはばかられるゆえに説明できないというのであれば、国会で秘密会という方法もある。
「説明できないことがある」と言えば、それで追及を逃れられると思っているとしたら、とんでもない、甘い認識だ。
民主主義的手段を駆使して国民に了解を求めること、それを考えるのが政治家の仕事だ。
スガ政治の志向するところは恐怖政治~官僚、学者、ジャーナリスト、世のオピニオンリーダーたちについての警察情報、個人情報を収集し、それを活用して反政府的発言を封殺するという暗黒政治~であるとの断定を下す時期を迎えたようだ。スガ首相は「教養」に欠けるリーダー、そのポーズをとることの必要性さえ感じない非民主的リーダーとの断定を下す時期を迎えたようだ。
「教養」とは単に知識の量をいうものではない。「教養」とは「知識に裏打ちされた人間のたしなみ」のことである。当然「ヒューマニズム」、その「ヒューマニズム」に基づいた「民主主義精神」も含まれる。国民の軽視、蔑視が「教養」から生まれるはずがない。