2020年8月9日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第367回です。
今回の「nov.」さんのさし絵は「8月10日は山の日です」という題で、なんと「シジフォスの神話」が描かれています。
【俳句】
炎天や・いのちふたつの・妊婦ゆく (清瀬市 よしだ悠)(大串章選)
(暑さの中、とりわけご苦労さん、ということで炎天のイメージを妊婦が強める。)
【短歌】
願わくば・天使が・現れむことを・置き去りの子の・まぶた落つ前
(藤沢市 鍬内亜紀)(永田和宏選)
(「願わくば」と祈ることしかできない。)
似ていても・おたまじゃくし・とは違う・なまずの稚魚は・なまずの動き
(館林市 阿部芳夫)(馬場あき子選)
(我が家の水槽でまさにこのことが展開している。同じ経験があることに驚き。)
きょうも雨・あしたも雨で・雨合羽・乾く間もなく・新聞配る
(甲州市 麻生孝)(佐佐木幸綱選)
(数少ない労働短歌の新鮮。)