2020年6月28日

 

 

朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第361回です。

今回もさし絵に「nov.」さんの作品が掲げられていました。「雨蛙」でした。

 

 

【俳句】

 

 

歌舞伎町・真夏の夜の・迷路かな (川崎市 小関新)(大串章選)

 

 

(コロナで歌舞伎町が妖しさを増していること、御同慶の至り。)

 

 

蛍火の・ひとつは・樺美智子かな (鹿児島市 青野迦葉)(大串章選)

 

 

(生きていれば80代。古井由吉、見田宗介と同じ研究会にいたとか。)

 

 

夏帽子・田舎の銀座・裏通り (伊賀市 菅山勇二)(大串章選)(高山れおな選)

 

 

(卑下することなかれ。今の銀座に洗練はない。)

 

 

薫風や・卒寿に杖の・まだ要らず (洲本市 高田菲路)(稲畑汀子選)

 

 

(御同慶の至りというべきだが、「雀百まで競争心」との感もする。)

 

 

【短歌】

 

 朝日歌壇を見るかぎり、このところ短歌は詩であることから離れつつあるのではないだろうか。

 選定した一首はこの感想とは無関係です。

 

 

たった今・夫を殺(あや)めて・きたような・悪女に見える・証明写真 

                            (富士市 村松敦視)(佐佐木幸綱選)

 

 

(恐怖感をもつ夫の立場から詠われているようだ。)