2020年6月7日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第358回です。
【俳句】
武蔵野を・独り吟行・夏帽子 (八王子市 大串若竹)(大串章選)
(炎天下の吟行では付き合う人もいない。これがいい。)
今日もまた・どこへも行かず・蝶の昼 (小樽市 遠藤嶺子)(稲畑汀子選)
(その蝶を追いかける童心があればちがってくるのだが。)
【短歌】
本当は・ワンチームという・言葉が嫌い・ですと言えず・黙っている
(廿日市市 上谷美智代)(永田和宏選)
(押し付け、しかも感情の押し付け。ドライのようでウエット。)
花一匁(もんめ)・この子欲しいと・抱かれたる・根岸の路地の・六歳の頃
(我孫子市 松村幸一)(永田和宏選)
(あったかもしれない別の人生。根岸だったら粋な人生だったかも。)
「この顔で・よければ撮れよ・好きなだけ」・監視カメラに・喧嘩売るなり
(霧島市 久野茂樹)(永田和宏選)
(どうせ売るならツーショットがいい。)