2019年12月29日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第336回です。

 

 

【俳句】

 

 

また一人・消して木枯・去りゆけり 

(オランダ モーレンカンプふゆこ)(長谷川櫂選)(高山れおな選)

 

 

(我がジェネレーションにも木枯らしが来る。)

 

 

埋火や・大事な一語・忘れたる (尼崎市 ほりもとちか)(大串章選)

 

 

(それを思い出そうと長時間座り続けてしまう。)

 

 

近頃は・人それぞれの・寒さかな (愛西市 小川弘)(大串章選)

 

 

(団欒というものがなくなった寒さありの指摘。)

 

 

ノヴェンバー・静寂(しじま)は・音の結晶体 

(宇城市 光永金司)(高山れおな選)

 

 

(武満徹「ノヴェンバー・ステップス」を連想します。)

 

 

語るよに・賀状認(したた)む・一日かな (大阪市 森本節子)(高山れおな選)

 

 

(反省して、来年からはそういう一日をもうけようかな。)

 

 

【短歌】

 

 

新年の・餅を詰まらせ・のたうてば・存在一性・曼荼羅煌めく

 (岡山市 島田一郎)

 

 

(臨死体験!)

 

 

天網は・恢恢(かいかい)佞邪(ねいじゃ)の・選良を・逃さず塀内・聖誕祭とす 

(東京都 田村与七)

 

 

(カジノ汚職摘発記念歌。)