2019年11月17日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第329回です。

 

 

【俳句】

 

 

どんぐりの・一粒残る・洗濯機 (前橋市 荻原葉月)(大串章選)

 

 

(滞在していた孫の名残か、などと想像を掻き立てられる秀句。)

 

 

をりとりて・はたきにしたき・すすきかな (福岡市 加藤秀則)(長谷川櫂選)

 

 

(語らずして人物が語られる秀句。)

 

 

【短歌】

 

 

今までで・一番父と・語り合った・意識がなかった・最期のひと月 

(東京都 上田結香)(高野公彦選)

 

 

(無言ゆえの多くの語り。)

 

 

後継者・なき老農の・山畑に・見納めとなる・蕎麦の花咲く 

(長野県 山口恒雄)(馬場あき子選)

 

 

(向こうがなくなる見納めとこっちがなくなる見納めがあるが、見納めの感慨にちがいはないか。)