2019年9月8日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第319回です。

 

 

【俳句】

 

 

こんなにも・笑顔になりて・水遊 (つくば市 今橋周子)(稲畑汀子選)

 

 

(それまでの苦労がしのばれる。)

 

 

自転車の・先へ先へと・赤とんぼ (米子市 中村襄介) (稲畑汀子選)

 

 

(赤とんぼは人を意識しているかのように飛ぶ。今年の赤とんぼの登場は早かった。)

 

 

革命も・恋もなかばや・昼寝覚 (神戸市 金澤健)(長谷川櫂選)

 

 

(続きは起きてからやればいいじゃん。)

 

 

【短歌】

 

 

大方は・死票なりき・投じきし・六十五年・跡形あらぬ 

               (長野県 沓掛喜久男)(高野公彦選)

 

 

(先方は挑んできてはいるが成功しているわけではない。跡形あらぬは早計早計。)

 

 

ボタンを留めに・即座に行って・あげないで・母を見てゐる・今朝の私 

                (水戸市 檜山佳与子)(永田和宏選)

 

 

(そういう自分に直面せざるをえない不幸。そういう不幸を減らすことも福祉だ。)