2019年8月7日
2013年7月、学校帰りの日向子ちゃんはいつものとおり吉井川沿いのゴルフ練習場に来た。2階には人がまばらで、いつもの打席の隣には見知らぬおじさんが一人さびしく哀れなショットを打っていた。日向子ちゃんはかまわずにいつもの打席で練習することにした。おじさんの視線を感じないわけではなかったが、すぐにショットに集中することができた。その後、何度かそのおじさんが来ていたが、秋になるといなくなっていた。
おじさんの日記にはすごいショットを繰り返す女子中学生がいるという記録が残された。日記に書くくらいならサインをもらっておけばよかったと、そのおじさんは今考えている。