2019年5月26日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第304回です。
【俳句】
新緑や・抹茶ロールの・やうな山 (海南市 岡哲夫)(長谷川櫂選)
(あまりにも比喩が的確。)
立志伝・ありし空き家や・松の芯 (広島県府中町 宮本悠々子) (高山れおな選)
(庭に松なんか植えて威張っていたのか。ざまあみろ、っていう感じ。)
羊の如し・椎の花咲く・城山は (岩国市 若村庸輔)(高山れおな選)
(この句であれが椎の花と知りました。)
連翹(れんぎょう)や・黄のクレヨンが・足りないぞ (金沢市・前九疑)(高山れおな選)
(この句であれが連翹と知りました。)
【短歌】
尻馬に・上手に乗って・人並みに・昭和平成・令和を生きる
(相模原市 大日方博)(永田和宏選)
(他者批判だったら有り得ると思うが、自虐だったら有り得ないと思う。)
スーパーの・買い物カートに・挿し置きし・杖をまたもや・忘れ帰り来
(三原市 岡田独甫)(永田和宏選)
(忘れられた杖の立場から考えると面白い。捨てられても恨まず、ただあきれるだけ。)
風評に・めげず育ちし・海鞘(ほや)食めば・女川湾の・海かおりたつ
(仙台市 沼沢修)(馬場あき子選)
(人事を歌ったものに良いもの少なく、こういう歌がさわやか。)