2019年5月17日

 

 

 くだくだしく書く気にはなれないので、結論だけ書いておく。

 

 

 丸山穂高の主張~主張と言えるようなものなのかどうかはなはだ疑わしいが~それがいささかの政治的リアリティも持たず、まったくのナンセンスであることは言うまでもない。だから丸山穂高を弁護する気は当然のこととして毛頭ない。しかし、それがいかに誤った主張だとしても、その主張が誤っていることを理由として議員辞職勧告をしたり、国会議員から除名するというのは、議会制民主主義に反するものであり、正しいことではない。

 

 

 世間の大勢が開戦に傾いて熱狂している場合の反戦の主張という今回とは逆のケースを想定しなければならない。そのケースを考えてみれば、世間の大勢に反する主張をしたことをもって国会議員の身分を多数の力で左右することの危険性を推測できるであろう。戦前、1936年の衆院における反軍演説(いわゆる粛軍演説)が斉藤隆夫の議員除名に至ったことを想起しなければならない。

 

 

 望ましいのは各議員が丸山穂高と議論をして彼の間違いを世間一般に明らかにすることである。腹を据えた主張をしたわけでもなかった丸山はもう謝罪して降りてしまっているので、実際にはその議論は成り立たないであろうが、熟考された丸山の主張がきっちりとあったのなら、丸山との議論は外交防衛に関する国民教育の上でも極めて有益なものとなっていたであろう。

 

 

 以上のような意味で丸山穂高の取扱いについては、現在のところ漏れてきている自民党の考え方がまともなのであって、維新を含めた野党の行動は反議会制民主主義的と言わざるを得ない。野党の定見なき、場当たり的、選挙戦術的軽挙妄動も困ったものだ。