2019年4月11日
桜田本人のダメさ加減、安倍の任命責任、さらに入閣を要請したであろう派閥の親分・二階の無責任、今回の「事件」に関してここらへんまでは報道されている。しかし、民主主義の本質を考える上で重要な視点が、それは当然に存在していると思われるのだが、報道されていない。その結果、今回の事件が今後の教訓になっていかない。
桜田の選挙区は千葉8区、柏市と我孫子市だ。桜田は2017年の衆院選で100,115票を得て7回目の当選を果たしている。自民党公認、公明党推薦だ。次点に約3万票の差をつけている。桜田は自民党の県連会長でもある。
報道されていないというのは、この桜田を当選させた千葉8区10万人余の地元選挙民の責任だ。
失言というものは誰にでもある。例に上げるのは適当かどうかわからないが、吉田元首相のバカ野郎解散というのもある。ほんとうに優秀で立派な政治家の失言であれば、その責任を選挙民に押しつけることはできない。それはまさに予期せぬ出来事だからだ。しかし、桜田の失言はその連発からして明らかに本人の資質によるものだ。一般人としての最低限の常識、人間関係を形成する上で最低限必要な言語能力が桜田にはそもそも備わっていない。したがって桜田の失言は予期せぬ出来事とは言えないはずだが、そのことを千葉8区の10万人余の選挙民は見抜けなかったのだ。見抜けないまま、我々の地域の代表ですと国政に送り出したのだ。
千葉8区は千葉県でも都市的住民、いわゆる千葉都民というような人たちが多く住んでいる地域である。その人々に対して桜田の資質・能力の欠如をカバーするような魅力的な政治主張が桜田にあったとは思えない。政治的主張レベルでは、地元利益誘導、いわゆるドブ板と、資質・能力の欠如から生まれたものであろうと思われる「にわか右翼」程度のものだ
千葉8区の10万人余の選挙民は桜田に投票したことを恥と思わなければならない。自分たちの選挙権行使が間違っていたことを国民、とりわけ被災地の人々に詫びなければいけいない。
そして、社会としては、特に恥をかいた千葉8区としては、10万人余が恥をかいた原因を究明し、制度的な手当てをしなければならない。
今回は桜田の個性によって事件がありありと人々の前にさらされたが、資質・能力で桜田レベルの政治家はいくらでも潜在していると思われる。そのような政治家をあぶり出す仕組み、そして資質・能力の不十分な候補者しかいない場合の棄権を積極的に表示する仕組み~例えば「支持する候補なし」という投票を可とし、その票数を発表する~が検討されてしかるべきだ。