2019年1月13日

 

 

 日韓関係が悪化している。問題が日韓の歴史に根ざす以上、国民に関係ないとはいえないが、多くの国民とは直接、現実的には関係のない次元で、問題が突然に顕在化している。そういう中で国民感情が煽られ、制裁をするべきだという対韓強硬論も出始めている。徴用工問題で韓国政府のとっている立場はどの程度ナンセンスなものなのだろうか?そもそも、戦後74年、日韓基本条約、日韓請求権協定締結後54年も経過したこの時期にこの問題がなぜ顕在化したのか?

 

 

 にわか勉強でわかったことは、請求権には国家による請求権(外交保護権)と個人請求権という2つがあるということ、日韓請求権協定で消滅したのは国家による請求権だけなのか、国家による請求権と個人請求権の両方なのか、解釈が分かれるということだ。

 分かれる解釈のどちらに軍配があげられるべきなのかは、協定の文言だけでは決着をつけられず、交渉過程での両国の理解を示す記録、締結後になされた説明等々の傍証が示されなければならないはずだ。

 しかし残念ながら、日本政府は決着済みの問題を蒸し返す韓国はナンセンスだというばかり、韓国政府も傍証を示して正当性を説明する態度はまったくない。

 にわか勉強で感じられるのは、この問題については、両国政府ともにすねに傷があるということだ。だからそれぞれ、メンツにこだわって、国民の前にすべてをさらすことをしないのだと思える。

 

 

 争点の真の在処が国民に明らかにされず、したがって国民は判断不可能な状態におかれ、感情だけ煽られ、そして事態だけはどんどん進行していってしまう。

 これが実は戦争に至る道なのだ。

 それを阻止する役割は何といってもマスコミにある。マスコミは今回の事態についてなぜ素朴な疑問を持ち、その疑問を政府に質すということをしないのだろうか?

 本日の報道でもそれを期待していたが、期待は裏切られた。不可解極まる。