2018年11月25日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第279回です。

 

 

【俳句】             

 

 

秋の雲・流れる事を・定めとす (西宮市 近藤六健) (稲畑汀子選)

 

 

(自然法則を詩的に語ること、数学に関しては可能だろうか?)

 

 

朝寒や・今日より若い・日はあらず (熊本市 内藤悦子) (稲畑汀子選)

 

 

(未来形で考えれば、これほど間違いのないことはない。これも自然法則。)

 

 

鷹浮かぶ・空に大書を・書くごとく (東京都 髙木秋尾)(大串章選)

 

 

(たしかに筆運びの緩急と似ているところがある。)

 

 

ペンギンの・群れの一羽に・秋思あり (八王子市 中尾公一) (大串章選)

 

 

(実はみんなに秋思があることを忘れてはいけない。)

 

 

ひとはひとと・人の言ひだす・寒さかな (東京都 野上卓)(高山れおな選)

 

 

(自己責任論の横行はまったく寒心に堪えない。自己責任は自省の場合に考えられるべきことであって他者に対して言うことではない。)

 

 

【短歌】

 

 

学生に・小嘘つかれて・物悲し・ごはん論法・はびこる浮世 

(東京都 山本海絵子)(高野公彦選)

 

 

(嘘をついて学生は何を守ろうとしたのだろうか?それのほうが問題で、悲しい。ごはん論法自体はことば遊びのたぐいだ。もちろん、国会答弁で使うべきものではない。)