2018年11月11日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第277回です。

 

 

【俳句】             

 

 

みなさみし・かりし林檎の・歌うたひ (羽村市 寺尾善三) (大串章選)

 

 

(そうだったとは思いもしなかった。何ゆえのさびしさだったのだろうか?)

 

 

マスクの子・マスクせぬ子に・よくしやべる (稲城市 日原正彦) (高山れおな選)

 

 

(別に意味はないがおかしいという俳句のおかし味。)

 

 

朝寒の・我銀色に・して一人 (船橋市 斉木直哉) (長谷川櫂選)

 

 

(「我」が冷え切っている。)

 

 

わが庭に・未知なる声の・小鳥来る (福岡市 松尾康乃)(長谷川櫂選)

 

 

 (名前を探索する、その楽しみが控えている。)

 

 

【短歌】

 

 

美しき・夢でありしか・拍手して・難民迎えし・ドイツ市民は

 (水戸市 中原千絵子)(馬場あき子選)

 

 

(排外主義、自国第一主義が強まっていることへの懸念は深い。) 

 

 

一匹の・猫がブロック・塀の上・歩みつつふと・空を見上げぬ

 (本庄市 福島光良)(馬場あき子選)

 

(

人間よりも形而上学的なネコ。)