2018年10月14日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第273回です。

 

 

【俳句】             

 

 

月天心・今日を手放・さうと思ふ (岐阜市 柚香里)(高山れおな選)

 

 

(月というものは孤独な決断を支えるというか、促すというか、そういう働きをする。)

 

 

我を見て・何か言うてる・秋の蠅 (いわき市 馬目空)(長谷川櫂選)

 

 

(何を言っているのか、ずばり書いてほしかった。)

 

 

五歳児に・一喝されて・秋高し (東京都 長谷川瞳)((長谷川櫂選)

 

 

(ついにチコちゃん登場。)

 

 

水たまり・映る無月の・浅草寺 (東京都 仲泉せつ)

 

 

(夜も賑わう「大浅草寺」に水たまりという「小さな・なごみ」。)

             

 

【短歌】

 

 

この国の・政治を諦め・かけている・秋の日うすい・夕刊が来る

 (大網白里市 川島薫子)(永田和宏選)

 

 

(政治を諦めるとはダメな国民とおさらばするということなのだが……。)

 

 

理学部を・一応出ました・信州の・月はたしかに・大きいのです 

(長野市 原田りえ子)(永田和宏選)

 

 

(科学的根拠はちゃんとあるでしょう。)

 

 

唐獅子を・消して火傷(やけど)の・如き背・ここまでせぬと・風呂にも入れぬ 

(須賀川市 伊東伸也)(佐佐木幸綱選)

 

 

(「背」は「せな」と読みたい。)

 

 

「また会おう」が・最後かもしれぬ・クラス会・意識をしつつ・盛り上がりけり 

(高知市 田丸彌八)

 

 

(「最後かも」の意識がみんなを昂揚させる。)