2018年9月2日
朝日新聞俳壇、歌壇等からの印象句、印象歌の報告、第267回です。
【俳句】
花火とは・別の夜空へ・帰りたる (市川市 抜井諒一)(高山れおな選)
(意味深し。)
生身魂・過去も未来も・無く現(うつつ) (芦屋市 奥田好子)(稲畑汀子選)
(生身魂(いきみたま)とは長寿者のことだが、本来死んでいる人というようなニュアンスがある。いずれにしろ、現在ただ今だけというのは悟りの境地。)
雷と・なり戻り来よ・翁長知事 (沼津市 石川義倫)(長谷川櫂選)
(藤原氏に対する菅原道真怨霊の祟り、天満天神信仰の起源が思い起こされる。)
教室の・金魚とならば・話せる子 (神戸市 藤井啓子)(長谷川櫂選)
(人間はメッセージが過剰複雑、混沌不可解。)
【短歌】
雑踏に・料亭女将と・佇めば・煮込屋女将に・声掛けられる (東京都 村田七味)
(羨ましき浅草風景。)