2018年7月15日

 

 

朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第260回です。

 

 

【俳句】

 

 

草刈女・爪の罅(ひび)まで・草の色 (砺波市 中神萌子)(高山れおな選)

 

 

(現実が昇華されて美となるの例。)

 

 

夏草や・いつか廃墟と・なる地球 (青森市 小山内豊彦)(長谷川櫂選)

 

 

(廃墟のイメージとして夏草は穏やかに過ぎるが、いずれにしても地球は必滅。すべてはその前提から出発しなければならない。)

 

 

【短歌】

 

 

若き日は・吾子の椅子なりし・わが膝の・闇に射さるる・ヒアルロン酸 

(神奈川県 西沢三輪子)(馬場あき子選)

 

 

(老いの無惨の違和感、悔しさをヒアルロン酸という異物に象徴させている。)