2018年6月17日

 

 

朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第256回です。

 

 

【俳句】

 

 

ふらここや・老女の中に・棲む少女 (今治市 藤原守幸)(大串章選)

 

 

(「ふらここや」は「ほらここや」でかくれんぼなのであろう。少女心、少年心、何歳になっても幸せの真の源。)(後から「ふらここ」は「ぶらんこ」ですね。)

 

 

畳這う・百足蟲(むかで)の音に・覚めにけり (伊万里市 田中南嶽)(長谷川櫂選)

 

 

(これははっきり目が覚めます。)

 

 

更衣・煮ても焼いても・媼(おうな)かな (前橋市 荻原葉月)(長谷川櫂選)

 

 

(本人だとすると「悟り」。他者だとすると「悟り遠し」。)

 

 

【短歌】

 

 

あす苗を・植うるみず田は・オレンジの・月を落として・鎮まりにけり 

(安中市 鬼形輝雄)(佐佐木幸綱選)

 

 

(この景色とこれから1年別れることになる。)

 

 

農も漁も・衰退したる・我が町に・ドックの巨大な・クレーンそびゆ 

(三原市 岡田独甫)(永田和宏選)

 

 

(いいとも悪いとも言えず、ただ受けとめるのみ。)