2018年5月28日
朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第253回です。
【俳句】
弁慶も・幼顔なり・武者人形 (小樽市 遠藤嶺子)(大串章選)
(はじめて作った人、これを受け入れた人、そして普及した日本人みんな、みんな素晴らしい。)
桐咲いて・むらさきの風・紡ぎけり (加古川市 森木史子)(大串章選)
(見上げないと気づかない高いところの桐の花、風と戯れていたのだ。)
てふてふに・鯨のごとき・古墳かな (茨城県阿見町 鬼形のふゆき)(大串章選)
(「てふてふ」「鯨」のあとに何が来るのかな、と思わせておいて、「古墳」でなるほど。)
【短歌】
天皇に・捧げた子供と・思えば ・語りし祖母も・五十回忌
(名古屋市 上小路規子)(高野公彦選)
(静かなる、強い、反戦歌。)
更に努力・せよとふ神籤(みくじ)・引き当てて・のちのこころに・善哉(ぜんざい)を食ふ
(香川県 薮内眞由美)(馬場あき子選)
(下の句いかん、と思わせておいて、「善哉食ふ」といなすとは誠にオトナの精神。)