2018年5月15日
元歌「この味が・いいねと君が・言ったから・7月6日は・サラダ記念日」(俵万智)。
安倍版「このプロジェクトが・いいねと僕が・言ったとて・忖度なければ・問題ないじゃん」。
完成したもの、決定されたことを「いいね」と評価するのは「誉める」ということで、上位の立場からの顕彰であり、奨励であり、けっこうなことである。
また、下位組織での検討では最終判断に至らず、その決定を上位に委ねてきた場合に、「いいね」と決定を下すのは、上位の立場としての本来的職務である。
しかし、意思決定過程、検討過程において、しかも自分の権限が及ぶ下位組織に対して、最上位の立場から「いいね」と事前に言ってしまえば、それは明らかに意思決定過程、検討過程に介入したことになる。正常な、なされるべき検討が、その影響により不十分なものとなるおそれがある。意思決定が事実上上意下達となり、民主主義的決定が期待できなくなる。
したがって、民主主義社会において上位の立場にいる者は、意思決定過程、検討過程においては謙虚、抑制、ストイックでなければならない。
以上のような民主主義社会における基本をまったくないがしろにして、追及が厳しくなって事前介入の否定が困難な事態を迎えた安倍首相は、安倍版サラダ記念日の言い方をためらいもなく打ち出してきた。自分の権限が及ぶ下位組織に対して、僕はこうしたい、忖度するかどうかは君たちの判断だよ、よーく考えて判断してね、と言っているのである。言い方は穏やかでも、そこに流れているのは「やくざの論理」ではないか!!
各種政策検討に動員される官僚組織、有識者は完全になめられている。言うまでもなく、それは国民一般がなめられているのである。
「その態度が・ダメだとみんなが・言ったから・○月○日は・総辞職記念日」。