2018年4月9日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第246回です。

 

 

【俳句】

 

 

死ぬること・一大事なり・花の山 (横浜市 正谷民夫)(長谷川櫂選)

 

 

(一大事は一大事だが、その程度でもあると言える。「花の山」に代わる別の言葉を考えてみよう。)

 

 

卒業証書・丸めて覗(のぞ)く・未来かな (東京都 吉田かずや) (大串章選)

 

 

(筒の先にはセーラー服の彼女が見えていると見る。)

 

 

柝(き)の入りて・鬢付(びんつけ)にほふ・東風の街 

                                   (七尾市 本谷眞治郎)(稲畑汀子選)

 

 

(相撲にはこのような色気が魅力なのだ。)

 

 

【短歌】

 

 

泳ぐより・̀漂う́があう・ミズクラゲ・10年上の・彼とみており 

                    (倉敷市 山河初実)(永田和宏選)

 

 

(言外の意、深い。)

 

 

考える・人の像より・蝶が翔つ・もう考える・人に飽きたか 

                    (坂戸市 山崎波浪)(佐佐木幸綱選)

 

 

(思考中途の許容は日本知性の在り様なり。)

 

 

泣きべそで・いじめられたと・告げし少女・果敢にヘディング・シュートを決める 

                    (交野市 西向聡)(高野公彦選)

 

 

(一発で、すべての問題が吹っ飛び、解消するということがある。)