2018年2月4日
朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第237回です。
【俳句】
恐竜の・哀(かな)しみ鶴の・目に残る (芦屋市 瀬戸幹三)(大串章選)(稲畑汀子選)
(鳥の目は冷たい。滅亡を知るゆえか。)
退職を・決めて雪掻(か)き・始めけり (大田原市 森加名惠) (大串章選)
(大事を決断して、わずかにある、はしゃぐ心。)
セーターの・似合う夜学の・教師かな (東京都 芳村翡翠)(大串章選)
(セーターが社会に向かう姿勢を表わす。)
聴きとめし・笹子はさらに・藪(やぶ)深く (富津市 三枝かずを)(稲畑汀子選)
(小生の近くの藪にいるのはキジの子かもしれない。)
【短歌】
ホスピスに・友を見舞ふに・三つ四つ・話す言葉を・用意してゆく
(横浜市 坪沼稔) (高野公彦選)
(お天気かスポーツのことぐらいしか考えられぬ、共に戦った友でなければ。)
戦止まぬ・国へと日輪・めぐりゆき・山の端暗き・夕焼け残る
(八王子市 原田なつ子)(佐佐木幸綱選)
(あちらに行った日輪が黒煙に包まれることがないようにと、韓半島を思う。)