2018年1月8日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第233回です。

 本年もよろしくお願いします。

 

 

【俳句】

 

 

めでたさは・妻柔らかな・お正月 (三郷市 岡崎正宏) (金子兜太選)

 

 

(小事即大事。いずれも様におかれましても大同小異のことと存ずる次第。)

 

 

湯豆腐や・八十路(やそじ)の先を・おもひをり (嬉野市 秋山和江) (大串章選)

 

 

(おいしくいただくために、豆腐の温まり具合に集中すべきであろう。)

 

 

雲流れ・ゆく大雪野・果つるまで (北見市 藤瀬正美)(稲畑汀子選)

 

 

(大景観の中での自分をみる機会があること、大切。)

 

 

【短歌】

 

 

九十の・われひとり歌う・子守唄・母に会いたし・あのころの母に

(東京都 伊藤千代子) (高野公彦選)

 

 

(九十にして、そうなのか!)

 

 

レジ袋・要るかと聞かれ・応えつつ・今日初めての・会話と気づく 

(茨木市 大谷純子) (高野公彦選)

 

 

(そういうこと、あるある。)

 

 

「居る」「居ない」・サンタクロース・ゆずらない・そして泣き出す・居るという児が 

(大阪市 関満恒子)(永田和宏選)

 

 

(次々と科学が明らかにすることの前で一神教の人々が泣き出している。)

 

 

〈ぼっち席〉で・食む〈ぼっち飯〉の・昼もよし・マンモス学食で・じんわりと知る

 (安中市 鬼形輝雄)(馬場あき子選)

 

 

(「ぼっち」ゆえに知り得ることあり、人間本来「ぼっち」。)