2017年12月10日

 

 朝刊(12月10日)を見てビックリ。東芝社長、会長を歴任し、今回の東芝の事件の中心人物である西田厚聰氏が死去した。

 西田氏とは昭和59年に一カ月の泊まり込み研修でいっしょだったという関係である。その後定期的に行われているその研修の同窓会のようなものでまれに会うことはあったが、年賀状のやり取りをするくらいで、あくまでも集団の中での関係であって個人的に話すという関係ではなかった。

 ビックリしたのはニュースのタイミングである。前夜、「東芝の悲劇」(大鹿靖明著、幻冬舎)で、まさに西田氏の生まれ育ちから、学問、結婚、東芝への就職、その後の社内での昇任という彼の人生を読んだばかりだったからである。それは一般のエリートが辿る道筋とはまったく異なる、驚くべき波乱万丈の人生であった。

 また、前日に来年の年賀状の印刷を開始したのだが、用紙不足となり、西田氏の数枚前までしか印刷できなかった。東芝の事件の展開から今年は年賀状を遠慮せよとのメッセージなのかな、などと思っていたところだったのである。

 おそらく今後、西田氏をめぐって様々な評伝が飛び交うことになるであろう。西田氏とはいったい本当はどういう人物だったのか、興味津々というのが偽らざるところであるが、若き日の研修の時は自己主張の強い面々の中で特に強く自己主張をすることもなく、いつもニコニコした穏やかな笑顔を見せる好人物であった。御冥福を祈りたい。