2017年8月7日
朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第212回です。
【俳句】
もう誰の・声も届かぬ・水遊び (堺市 杉山千恵子) (稲畑汀子選)
(無我とは無他に通じ、傍若無人ともなる。)
渾渾(こんこん)と・泉湧きくる・日野原忌 (秩父市 浅賀信太郎)(金子兜太選)
(日野原重明をめぐる無批判、手放しの生の肯定・讃歌に小生、疑問がないわけではないのだが……)
ビー玉の・転がらぬほど・猛暑なり (東京都 竹内宗一郎) (金子兜太選)
(さすがのプロの表現、憎いネ。)
油蝉・更に声高・老夫婦 (稲沢市 紫藤瑠美子) (金子兜太選)
(ただでさえ声高なのだから、劇場などでは御注意いただきたい。)
【短歌】
スイカには・種の星座が・詰まってる・真っ二つに開か・れる天球儀
(神奈川県 九螺ささら) (高野公彦選) (永田和宏選)
(新しい、カラフルな宇宙像。)
「ご家族は?」・「階下(した)にいます」と・小(ち)さき嘘・つきて独り・退院して来ぬ
(秩父市 畠山時子)(永田和宏選)
(通念によるお節介が孤独を募らせ、嘘を誘う。通念よ、自省せよ!)