2017年7月3日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第207回です。

 

 

【俳句】

 

 

応援の・母の目差(まなざ)し・夏帽子 (鶴ヶ島市 横松しげる)(大串章選)

 

 

(帽子に隠れて見えないけれど帽子の向きでわかる目差し。目差しを受けている子供の視点だろうか?)

 

 

死に際の・母の希(ねがい)し・心太(ところてん) (町田市 佐藤隆市)(大串章選)

 

 

(円谷幸吉の遺書が思い出される。食欲を恥じることなかれ、人間の原点、生命力の基本。)

 

 

手相見て・あげると笑ふ・涼しき目 (芦屋市 酒井湧水)(稲畑汀子選)

 

 

(恥じらいを知るようになってからの異性の手に触れる言い訳としてはこれがスタンダード。)

 

 

夏服の・四人ボックス・新幹線 (平塚市 日下光代)(長谷川櫂選)

 

 

(どんなグループだろうか?高校生男女2人ずつ、おばさま方4人……。男性は学生までだな。)

 

 

【短歌】

 

 

 政治家の・嘘言い訳を・日毎聴き・心はすでに・梅雨入りとなる 

(行方市 鈴木節子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(最近の政治に対する歌をこの歌に代表させてもらった。都議選で天気予報は梅雨明け間近と変わった。安倍改憲路線は頓挫。しかし、梅雨はまた来る。小池新党の憲法観は安倍と変わらないはずだ。)

 

 

天の川・上下に在りて・落人の・里の棚田に・螢飛び交ふ 

(神戸市 佐藤文子)(高野公彦選)

 

 

(四国のてっぺん村か?天の川が眼下にあるとはすごい。落人はそこまで行ったのだ。)