2017年6月5日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第203回です。

 

 

【俳句】

 

 

麦秋の・刈り取られゆく・光りかな (東かがわ市 桑島正樹)(大串章選)

 

 

(この季節、麦の穂が黄金色に光り輝く。それが刈り取られていく。)

 

 

泰山木・ただ九条を・念じ花 (三郷市 岡崎正宏)(金子兜太選)

 

 

(人々のただただ念じるという心。それに対して2項だ3項だと理屈っぽすぎる。致し方ないとはいえ、何とかならぬのか、知識人たち。)

 

 

原発と・同居してゐる・暑さかな (川崎市 池田功)(金子兜太選)

 

 

(この問題なども、本来庶民を煩わせてはいけない問題。専門家たちよ、何とかせい。)

 

 

【短歌】

 

 

 水のない・水差し売り場の・水差しに・とって水とは・概念である 

(神奈川県 九螺ささら)(高野公彦選)(永田和宏選)

 

 

(さて考えさせるではないか。「恋のない恋女」「庶民性のない庶民」「民主的精神のない民主政治家」「人間性のない人間」等々。)

 

 

辛い時・悲しい時も・堪えられる・うれしい時は・友と飲みたい 

(三郷市 木村義煕)(永田和宏選)

 

 

(毎日飲んでいる人は毎日うれしいのだ。)

 

 

ゆうぐれを・追いかけるうち・子どもらは・老いと向き合う・年齢になる 

(尼崎市 ひじり純子)(永田和宏選)

 

 

(あれは何を追いかけていたのだろう?今は何を追いかけているのだろう?)