2017年5月7日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第200回です。

 転居のため東京からの通信はこれが最後になりますが、通信は継続します。

 

 

【俳句】

 

 

一番は・小学校の・夕桜 (藤沢市 小田島美紀子)(稲畑汀子選)

 

 

(桜が帯びてしまった「集団性」から離れる態度、これが意識されなければならない。)

 

 

春うらら・男の嘘は・定冠詞 (平塚市・岩崎桂三)(金子兜太選)

 

 

(いかなる意味で定冠詞なのか、わからないのだが、嘘をつく男として気になる。)

 

 

ベランダに・落花一片・到着す (桶川市 谷口雅子)(長谷川櫂選)

 

 

(この句にも第1句と通じる批評性がある。喧騒から離れてひとりの感慨。)

 

 

 

【短歌】

 

 

 朝空は・けざやかにして・言葉なし・沈む木星・昇る金星 

(神戸市 有馬純子)(佐佐木幸綱選)(高野公彦選)

 

 

(神秘を歌うものが少ない中での貴重な一首。)