2016年11月28日
朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第178回です。
【俳句】
露の世や・涎(よだれ)を垂らし・目覚む吾 (蒲郡市 古田明夫)(金子兜太選)
(自分との、理性あるしっかりした自分との、別れの予感。)
枝々に・老爺(ろうや)笑むごと・柿の里 (小平市 村田忠志)(大串章選)
(そう考えると日本中の山里は賑わっている。)
人生は・片道切符・鳥渡る (平塚市 日下光代)(大串章選)
(修行によって往復ができるようになるとか??)
爆笑の・助役の女装・村芝居 (尾張旭市 古賀勇理央)(大串章選)
(エライ人が男女の境を越えてくれると、みんな安心。「赤信号 みんなで渡れば こわくない」)
【短歌】
何ごとも・自ら決める・権利なき・獄中に居て・内なる自由
(ひたちなか市 十亀弘史)(馬場あき子選)
(現代日本だからこそ。戦前日本、現代でも多くの国で、獄中に「内なる自由」はない。)
外出は・眉だけ描いて・マスクして・女半分・捨てて爽快
(延岡市 片伯部りつ子)(高野公彦選)
(4分の1で爽快、半分で爽快、全部で爽快、と人によって程度の差がある。男において同じ。)
とてもいい・笑顔で頷(うなず)・かれたので・何も伝わって・ないとわかった
(名古屋市 茶田さわ香)(永田和宏選)
(返歌:とてもいい・笑顔で頷(うなず)き・できたので・寂しさ伝えずに・すんだと思ふ)