2016年7月11日
朝日新聞俳壇・歌壇からの印象句、印象歌の報告、第158回です。
【俳句】
全世界・墓穴あまたや・蟻地獄 (三木市 酒井霞甫)(金子兜太選)
(今回の参院選で墓穴が増え、深くなった。)
合歓(ねむ)の花・目をふせていた・初浴衣 (光市 原美智子)(金子兜太選)
(御自身のことなのです。いつごろでしょうか?)
安らかに・眠る訳なし・原爆忌 (長岡市 内山秀隆)(長谷川櫂選)
(想像するのはつらいが、想像しなければならない。)
噴水の・頂きのごと・八十路(やそじ)かな (岡崎市 米津勇美)(大串章選)
(ピークであり下りしかないが、勢いは確かだ。)
一木に・百の支へや・大夏木 (大津市 井上孝夫)(稲畑汀子選)
(多くに支えられながら、それをものともせず、堂々としている。)
【短歌】
花買って・花をおかずに・ながめては・トウフ、モヤシの・年金暮らし (御殿場市 網谷由紀子)(高野公彦選)
(心と体の健康のため、たいへんけっこう。)
不意に来る・深夜の床(とこ)の・こむらがえり・痛みの引けば・つくづく一人 (横浜市 安達三津子)(永田和宏選)
(一瞬、何が起きたのか、どうしていいのか、あわてふためく、そのあと、我に返る。)