2016年4月18日
朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第146回です。
【俳句】
いちめんの・菜の花いちめんの・放射能 (いわき市 馬目空)(金子兜太選)
(すばらしいだけにくやしい。)
さまざまの・事忘れゆく・櫻かな (飯塚市 釋蜩硯)(大串章選)
(まあ、どうでもいいわい、というような。)
桃の宿・陶淵明の・ひとり酒 (仙台市 上郡長彦)(大串章選)
(花と酒で中国文人気分。)
泳ぐ人・溺るる人や・花の海 (洲本市 高田菲路)(稲畑汀子選)
(自分はどうだったのだろうか?)
【短歌】
立ちこぎの・茶色の髪を・なびかせて・横断歩道を・渡る春風
(長野市 原田浩生)(馬場あき子選)
自転車が・逆光のなか・向かってく・風に逆立つ・髪のひと乗せ
(川崎市 小林冬海)(佐佐木幸綱選)
(この季節、自転車に乗る若き女性は、たくましさ、勇ましさ、すがすがしさ等々肯定的気分に満ちている。)
船乗りも・日舞師匠も・左官屋も・肩を寄せ合う・仮設住宅
(塩釜市 佐藤龍二)(佐佐木幸綱選)(高野公彦選)
(古い言い方で仕事を呼んで長屋的温みが出てきた。)