2016年1月15日


 ISまたはISの同調者によるテロが続いている。IS支配地域での異教徒の奴隷化など極悪非道の振る舞いには目を覆いたくなる。しかしながら、言うまでもなく、彼らは悪をなそうとしているのではなく、むしろ正義をなそうとしている。いったい彼らはどのような考え方を持って非人道的としか思えない活動に命をかけているのか、推測してみた。

 もし、そのようなものだとしたら、対話の成立する余地はあるだろうか?共闘の成立する余地はあるだろうか?


 諸悪の根源・アメリカによる誤った戦争・イラク戦争によってフセイン政権が打倒された結果、シーア派(ISはスンニ派)がどんどん力を強めてきた。シーア派とは、預言者マホメッドによって示された本来のイスラームの教えをねじまげている。イスラーム社会は、クルアーン(正典、神の言葉そのものとされている。その点でキリスト教の聖書と異なる。日本ではふつうコーランと発音されている。)とマホメッド言行録(これがスンニあるいはスンナ)をその基礎(法源、社会のルールの基礎、憲法のようなもの)として統治されるべきである。しかし、シーア派は無根拠の言行録をでっち上げ、洗練されていない、原始的な神秘主義をイスラーム社会に持ち込んでいる。このようなシーア派の支配を許せば、欧米キリスト教勢力の不正な支配に苦しんでいるイスラーム社会の再生はおぼつかない。

 一方、スンニ派を標榜しているサウディアラビアをはじめとする湾岸諸国の王族ども及びその他の独裁的政権は、自分たちの既得権益を守るため、欧米キリスト教勢力と妥協し、物質的繁栄をもってよしとする堕落した権力でしかない。石油販売収入によるぜいたくな生活が欲しいだけの、働くことをしない寄生虫のような連中だ。彼らもまたイスラーム社会の再生を妨げる腐敗権力である。

 イスラーム社会は「カリフ制」(マホメッドの正統な後継者(カリフ)が統治する社会、スンニ派にもシーア派にも現在はカリフはいない。カトリックでいえばローマ法王が世俗社会も支配するような制度。一種の理想的賢人支配。)と「シャリーア」(クルアーンとスンナを法源とする法の支配する社会)によるものとならなければならない。我々、ISはその実現を目指して戦っているのである。

 ジハード(聖戦)によって死ぬことは、神による最後の審判を受けることなく、天国に行けることが約束される。自爆はむしろ喜びである。