2016年1月11日


朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第132回です。

 

 【俳句】


 顔見世や・はねて日頃の・貌(かお)となり (市川市 谷川進治)(稲畑汀子選)


 (手を突っ込んで 札を数える)


 風神が・袋繕ふ・小春かな (京都市 山口秋野)(長谷川櫂選)


 (傍に肩揉む 女などゐて(こんちくしょう、憎いよ!))


 【短歌】  


 朝礼の・前へならえの・号令に・空を見上げた・最前列で (八王子市 坂本ひろ子)(佐佐木幸綱選)


 (なるほどと思い、想像力の乏しさを自戒する。)


 シャイであり・礼儀正しい・人でした・野坂氏悼む・声に頷(うなず)く (町田市 冨山俊朗)(佐佐木幸綱選)


 (野坂昭如氏追悼の歌が3首あり、そんなに好かれていたのかとやや驚き。どれにも歌われていないのだが、野坂が好かれていたのは、俺たちが嫌な奴だと感じている連中に、俺たちに代わって突っかかっていってくれたからではないだろうか。時々は負けそうになって口ごもりながら……)